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「女性議員を本気で増やして」署名2万筆超
自民党、共産党へ提出&対話
宮本有紀|2020年10月23日9:00AM
日本の女性国会議員比率は世界190カ国中167位と最低ランク(2020年10月1日現在)。衆議院議員465人中女性は46人と1割未満だ。そこで女性議員割合50%を目指す「パリテ・キャンペーン」とジェンダー平等社会を目指す一般社団法人VOICE UP JAPANは「幹事長、女性議員を本気で増やしてください!」署名キャンペーンを9月14日に開始。ネット上で10月7日までに2万2741筆を集めた。
18年に成立した「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(候補者男女均等法)」では、政党は候補者の男女均等を目指すことになっているため、「具体的に目に見える取り組みを」と、各党幹事長への署名提出と対話を要求。9月には署名呼びかけ人有志らが立憲民主党と国民民主党との対話を行なった(10月2日号本欄で既報)。
10月8日には自民党、9日には共産党との対話が実現。有志らは家族のケアを抱える女性の負担がコロナ禍で増加しているが支援が不十分で、女性の多い非正規雇用への打撃が大きいことや、特別定額給付金が個人給付でなく世帯主給付だったことなどを挙げ、女性の現実に寄り添った対策がなされていないと指摘。また、性暴力防止・被害者救済や選択的夫婦別姓なども進まないのは女性議員が少ないことに原因があるとして、①次期衆院選における女性候補者の数値目標を掲げる、②現職でない候補の半分は女性にする、③比例名簿では男女同数にし、女男交互に、あるいは上位1~3位を女性にする。性的少数者の優先的な登用を、④選対本部に女性を加える、⑤選挙運動におけるハラスメント対策を講じる、の5点を求めた。
自民党は野田聖子幹事長代行ら女性議員が対応。冒頭撮影のみでメディアは退室を求められたため、参加者に様子を聞いた。パリテ・キャンペーン実行委員会に加わる三浦まり上智大学教授は「下村博文政調会長が選対委員長の時(9月)、2030年までに自民党の衆院議員の女性割合を3割に、と数値目標を出した。現職が多く新人枠に空きが少ないが、空いたら女性擁立を心がけているそうだ。女性候補者の育成をしており、また、地方議会から女性議員を増やすことが重要という指摘がされた。自民党は幹事長室が選対本部になるので、野田さんがいることで選対に女性がいることになる。立憲民主党も選対に女性が入り、与党も野党も第一党の選対に女性がいるので、私たちが求めたことが実現しているということ」と一定の評価をし、次期総選挙で結果を出してほしいと語った。同じく参加した大学生、大橋侑來さん(21歳)は「女性議員たちのセクハラ体験を聞いた。妊娠時期も考慮すると言っていて、それを気にしなければならない環境自体がよくないと思う。妊娠に関してヤジが飛んだ議会も見たし、それでは将来政治家になりたいと女性が思えなくなる」などと話した。
共産党は「うちは幹事長の役割が書記局長」と小池晃書記局長らが対応。コロナ禍での女性の負担増加や対策不備などが読み上げられる時にうなずきながら聞いていた小池氏は「署名を正面から受け止めたい。日本の政治における女性の政策決定への参加が弱すぎる。それがジェンダー平等後進国・日本という実態を生み出している」と断言。「共産党は戦前から男女平等、女性の参政権は貫いてきたが、ジェンダー平等の視点は弱かった。反省的な総括も含め、1月の党大会ではジェンダーの平等を党の基本的政策として位置付けた。比例代表候補は54%が女性。小選挙区は擁立過程だが、女性を増やしていきたい。候補者だけでなく、当選者の5割以上を女性にする取り組みをしなければいけないと考えている」などと答えた。
VOICE UP JAPANメンバーの大学生、三浦舞さん(20歳)は、「候補者だけでなく当選者の女性を5割にしたいと、先方から言ってくれたことが印象的で心強く感じた。性的少数者に関しての取り組みはこれから進めていくというお話だったので期待している」と感想を述べた。有志は、まだ対話していない党とも話し会いができるよう要請を続けるという。
(宮本有紀・編集部、2020年10月23日号)