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森友裁判、赤木俊夫さん元上司の音声データ提出
「もちろん佐川さんの判断です」
粟野仁雄|2020年11月5日11:45AM
【「これを見たら全部わかる」】
I氏は森友学園に近畿財務局が国有地を売却した際の担当責任者だ。安倍晋三首相(当時)が17年2月の国会で「私が関わっていたら総理も国会議員も辞める」と答弁した直後、赤木さんに改竄作業を命じていた人物である。音声は昨年3月、I氏が俊夫さんの一周忌の弔問で雅子さんの自宅を訪ねた時のやりとり。報道陣(大阪司法記者クラブ加盟社)に公開された音声データによれば、I氏の発言は以下のような内容だ。
「もちろん、判断は、佐川さんの判断です。初めから赤木さんは抵抗しました。涙を流しながら抵抗していました」
「検察のガサ入れが来た時に赤木さんに『きちっと整理してあるこれがあるんですけど、これを出していいですか』と聞かれた。パラッとだけ見たんです。うわーっ、メッチャきれいに整理してあるわと。全部書いてあるやんと。どこがどうで、何がどういう本省の指示かっていうこと」
「ファイルにして赤木さんがきちっと整理している。全部書いてある。何が本省の指示か。前の文書であるとか修正後とか、何回かやりとりしたようなやつがファイリングされていて、これを見たら、われわれがどういう過程でやったのかが全部わかる」
「あの売り払いをしたのは僕です。国の瑕疵が原因で小学校が開設できなかったときの損害額が膨大になることを考えた時に、相手に一定の価格、妥当性のある価格を提示して、それで納得できればいちばん丸く収まる。(地中のごみの)撤去費用を試算した大阪航空局が持ってきたのが8億円だったということで、それを鑑定評価額から引いただけなんです」
「確実に(ごみの)撤去費用が8億になるかという確証が取れていない」
「僕は安倍さんとか鴻池(祥肇・元参院議員・故人)さんとかから声がかかっていたら、正直売るのはやめていると思います。だからあの人らに言われて減額するようなことは一切ないです」
「少しでも野党から突っ込まれるようなことを消したいということでやりました。改竄なんかやる必要もなかったし、やるべきではない。まったく必要ないと思っていました。ただ追い詰められた状況の中で、少しでも作業量を減らすためにやった。何か忖度みたいなことで消すのであれば、絶対消さないです」
文書改竄問題では大阪地検が佐川氏を不起訴。菅義偉首相は「結果は出ている」とするが、犯罪をうやむやにしてはならない。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、2020年10月23日号)