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「社会史・労働史」が欠落している産業遺産情報センター展示
植松青児|2020年11月5日6:12PM
注7 高島炭鉱(高島炭坑および端島炭坑)では39年から45年の間に3433人の朝鮮人が動員され、高島炭鉱での朝鮮人および中国人の割合は全労働者の4割を超えたとされる。厚生省(当時)名簿に記載された未払金の合計は約22万円(現在の価格に換算すると約100億円とも言われる)。
三池炭鉱では45年6月時点で5152人の朝鮮人が動員された。『大牟田市史 中巻』では「採炭先山夫の八〇〜九〇パーセントは朝鮮人であった」と記されている。
注8 1944年に日本政府は「労務動員計画要綱」を策定し、中国から多くの労働力を調達する。捕虜や、暴力的に拉致された人々が日本に連行された。三池炭鉱では2372人の中国人が到着するが、その約27%が死亡している(『荒尾市史 通史編』)。
高島炭鉱(高島炭坑・端島炭坑)には404人の中国人が連行された。高比良勝義氏(注4を参照)の証言によれば、端島では「朝鮮人坑夫は納屋に入れられ、中国人は南端部の囲いの中に拘禁されていた」という。
注9 長崎地裁2007年3月27日判決。賠償請求自体は請求権の期限(20年)が経過しているとして棄却した。
注10 ちなみに松本氏の証言パネルは「元端島住民を代表して日本政府に苦言を呈す」という見出しで、日本軍「慰安婦」問題にも言及している。加藤氏は「本人の主張をそのままパネルに掲載した」と説明した。
注11 鈴木氏の父親は1933年以前より端島で働いており、39年以降の強制労働動員で端島に入った朝鮮人労働者と境遇は異なる。
注12 そもそも日本人島民の証言だけで「差別はなかった」と結論づけるのは適切ではない。日本人の側が自覚していない加害や差別が存在した可能性に留意すべきである。
(植松青児・編集部。2020年8月21日号)
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