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日本学術会議「任命拒否」問題、候補者が会見で違法性訴える

片岡伸行|2020年11月13日5:43PM

【「総理大臣の罪」を問え!】

「この問題は総理大臣の罪」と指摘したのは刑法が専門の松宮教授。「7条には210名の会員をもって組織すると書いてある。半数の105人を任命しないと違法になる」とし、菅首相が憲法15条を任命しない根拠としていることについて「総理大臣がすべての公務員を好き勝手に任命・罷免できるとしたら恐ろしいこと。ヒトラーでさえ全権掌握のためには特別な法律を必要とした。それを現行憲法を読み替えてやるなんて」と危機感を募らせた。また、「105人の推薦名簿から6人の名前が塗りつぶされた書面が見つかっているが、公文書を勝手に塗りつぶすのは犯罪だ」と指摘した。

宗教学者の芦名教授は問題の背景にあるのは「軍事研究だ」とした上で、「政府は軍事研究を推進したい。学術会議は反対している。そうした流れの中で科学研究に政府が介入している。法の問題も大事だが、なぜこうなったのか、どう対応するのかを多くの人と考えていきたい」と述べた。

任命されなかった他の2人、東京大学の宇野重規教授(政治思想史)と加藤陽子教授(日本近現代史)はそれぞれメッセージを寄せ、その中で宇野教授は思想家のジョン・スチュアート・ミルの言説を引いて、少数派の意見を抑圧すれば「社会は真理の道を自ら閉ざしたことになります」と暗に首相の対応を批判。加藤教授は「法解釈の変更なしには行なえない違法な決定を、今回、菅総理大臣がなぜ行なったのか、その意思決定の背景を説明できる決裁文書があるのかどうか、これを政府側に尋ねてみたい」との疑問を呈した。

記者からの質問に松宮教授は「この問題が世界に発信されて日本の国民が内閣をどう評価するか、支持率がどう変わるか注目したい」とし、岡田教授は「国会の議論の成り行きを見守る」と答えた。臨時国会が26日に開会したが、これらの指摘や疑問に菅首相はまともに答えられるのか。

(片岡伸行・記者、2020年10月30日号)

 

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