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「大阪都」構想否決
一番の要因は創価学会の票割れか
粟野仁雄|2020年11月16日5:56PM
【松井代表は投票日にも街宣で訴えたが……】
「都構想論議」は熱を帯び、関西のテレビでは討論会が何度か開かれた。しかし、松井氏は北野氏や共産党の山中智子市議団幹事長の質問にまともに答えずに話をそらしたり「デマだ」と言うだけの場面も多かった。
立憲民主党副代表の辻元清美衆議院議員は投票前日、大阪市北区梅田のヨドバシカメラ前で「製品の説明がよくわからなかったら買わないでしょ。買ったら失敗しますよね。わからない人は反対と投票してください。大阪市がなくなっても元に戻れないんです」などと訴えた。
住民投票は、一般の選挙と異なり、投票日まで、選挙運動ができる。松井代表は投票日の11月1日も同市天王寺区の天王寺公園で街宣を行ない、古い時代の二重行政の弊害を訴えたが、反対派はさまざまな団体や個人が駅や投票所の前などで「反対に投票を」と熱心に訴えていた。
橋下徹氏は08年、知事の方が市長より権限があると信じてタレント弁護士から大阪府知事になったが、政令指定都市の大阪市をいじろうとしても思うようにならないことを知り、「市から金をむしり取れ」などの言を吐いていた。
大阪市民はこの10年間、そんな彼のリベンジからの構想に振り回されてきた。
だが今回、新しいものに飛びつきたがる浪速っ子たちはコロナ禍に苦しみながら冷静に判断して、踏みとどまり、131年の大阪市の歴史を守った。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、2020年11月6日号)