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調布の道路陥没で周辺住民怒り 
「外環道工事を中止せよ」

丸山重威|2020年11月17日12:04PM

陥没事故現場では土砂入れの応急措置工事が行なわれた。(住民撮影。提供/野川べりの会)

「いつかはこうなるんじゃないかと思っていたけど、やっぱり起きた。怖い……」

10月18日に道路陥没事故が発生した東京都調布市東つつじケ丘の現場周辺では「これから一体どうなるのか」との不安の声が広まるばかりだ。

現場の地下を通る予定の東京外環自動車道をめぐっては、同地区の住民にも地権者にも無断でトンネルを掘り進む工事が行なわれてきたことから、住民からは大深度地下工事許可の無効確認の行政訴訟と、工事差し止めの仮処分申請(本誌6月5日号本欄参照)が出されている。その現場で18日昼、幅約4・5メートルの道路を横切る亀裂から始まり、住宅のガレージの下をえぐる形で広さ約4メートル×約5メートル、深さ約5メートルの大きな穴が開いた。徹夜で約140立方メートルの土砂を注入する応急措置がとられた。工事を進めてきた国土交通省と高速道路会社2社(NEXCO東日本・中日本)は「ボーリング調査などで、結果が明らかになるまで工事を中止する」と表明。これまで酸欠空気の漏出や振動の被害が訴えられながらも(本誌3月27日号【金曜アンテナ】参照)放置してきた中での事故とあって、改めて工事の杜撰さも問題になっている。

これまでも工事に反対してきた「外環ネット」「野川べりの会」などの住民団体は10月23日午前、東京・永田町の参議院議員会館の会議室に国交省の担当者を呼んで集会を開いた。住民たちは今回の事故についての調査や原因究明のほか、排出される土量や掘削機械の出力などのデータ開示、さらに事故調査のために住民も入った形の第三者的な委員会の設置、住民が納得するまで工事を再開しないことなどを要望。涙ながらに危険と不安を訴え、計画中止を求めた。

「たとえば陥没事故前にもあったが、私にはビーという微振動が耳につき、地底に吸い込まれていくような感じがずっと続いている。今回の陥没は予見されていたとも言える。現場周辺は地震の際には強い揺れで建物が倒壊しやすい地盤だが、その地下をマシンで掘り進む工事であることからしても、国や業者側の対応は実に杜撰だ」

「陥没事故の後、現場すぐ近くに住む人から『家がミシミシといい傾いているようだ。調べてほしい』と言われた。地下工事事業者からは『避難してもらうのでご準備を』と言われた。大学生の孫が『怖い』と言って泣き出すほど恐怖と緊張でくたくたになった。『大深度地下は地上には一切関係ないから大丈夫』と言ってきた国は詐欺師、犯罪者だ」

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