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森友2業者の刑事告発、大阪地検が正式受理

片岡伸行|2020年11月24日11:32AM

「追及の手をゆるめない」と語る告発人代理人の大口昭彦弁護士ら。(撮影/片岡伸行)

森友学園(大阪市)の小学校建設を請負ったキアラ建築研究機関(京都市、松本正代表)と藤原工業(大阪府吹田市、藤原浩一代表)を補助金適正化法違反などの疑いで刑事告発した告発人らが10月21日に東京・永田町の衆議院第一議員会館内で会見し、大阪地検が告発を正式受理したことを明らかにした。財務省近畿財務局職員の自死をめぐる裁判や森友学園前理事長(籠池)夫妻の補助金詐欺事件控訴審にも影響を与えそうだ。

大阪地検は籠池夫妻の起訴状で「共謀」と名指したこの2業者を免罪し、補助金裁判では「籠池主犯説」に立つ検察側証人として証言させた。「森友ごみ問題を考える会」の小泉恵美世話人を代表とする28人の告発人は「補助金申請を主導したのは2業者だ」として5月25日付で告発状を提出。その直後、告発人代理人の大口昭彦弁護士に対し大阪地検から「両名についてはすでに起訴猶予処分がなされ、終結している」旨の連絡があった。しかし、告発人側は8月25日付で35ページに及ぶ「追加意見書」を提出。国有地の大幅値引きの理由とされた埋設ごみへの2業者の深い関わりや、国土交通省のサステナブル建築物補助金申請で実際に利益を得るのは業者側であることなどを明らかにした。

首相の妻の関与、国有地の不正売却、そして組織的な公文書改竄という森友事件の本質とは無関係の補助金詐取だが、会見で大口弁護士はこの告発受理に「大きな意義がある」とし「安倍(前首相)は『桜を見る会』を含め、もう終わったと思っているだろうが、われわれは決して追及の手をゆるめない」と述べ、告発人らも「全容解明への大きな一歩」(環境ジャーナリスト・青木泰さん)、「今後、二の矢、三の矢も想定。事件の本質を突いて民主主義の再生をめざしたい」(小泉さん)と口をそろえた。検察が立件できるかどうかが次の焦点だ。

(片岡伸行・記者、2020年11月6日号)

 

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