2020NGO日本女性大会開催
「女性の権利を国際水準に」
片岡伸行|2020年11月30日3:53PM
「私たちは黙らない 女性の権利を国際水準に!」をテーマにした2020NGO日本女性大会が11月8日、東京・旗の台の昭和大学上條記念館で開かれ、オンライン参加を含め約400人が参集し「法律に残っている差別をなくそう」「包括的な差別禁止法を作ろう」など5項目の決議を採択した。
女性の地位向上とジェンダー平等の実現をめざして結成45周年を迎えた「国際婦人年連絡会」(加盟34団体)が主催し5年に一度開催している大会で、今年は「ジェンダー主流化」を謳った北京会議から25年、日本が女性差別撤廃条約を批准してから35年の節目となる。しかし、日本のジェンダーギャップ指数は153カ国中121位で、依然として〝後進国レベル〟の状態が続いている。
当日は元国連女性差別撤廃委員会委員長で弁護士の林陽子さんが「世界はどう変わったのか?北京会議から25年目を迎えて」と題し基調講演。世界各国で進む取り組みと比べ「周回遅れ」となっている日本の現状などを指摘した。
日本女医会前会長で国際婦人年連絡会世話人の前田佳子さんをコーディネーターに行なわれたパネルディスカッションでは、浅井春夫さん(立教大学名誉教授)が「寝た子を起こす論」を口実に性教育の発展を阻害してきた日本の性教育の問題点を、打越さく良さん(参議院議員)がコロナ禍であらわになったジェンダー不平等と女性の自殺増加の現状を、また、北原みのりさん(ラブピースクラブ代表)が19年3月に相次いだ性暴力無罪判決を機に巻き起こった「フラワーデモ」による「声の公論化」について発言。それらを受けて林さんは「日本には差別的法律があり、それに基づいた政策がなされている」と指摘。現状を変えるためには「包括的な差別禁止法の制定が必要。ジェンダーに基づく差別は違法だということを明確にする必要がある」と述べた。
(片岡伸行・記者、2020年11月13日号)