川内原発再稼働に九州電力前などで抗議行動
薄井崇友|2020年12月9日3:49PM
「再起動するな!特重ができても安全じゃない!」
九州電力川内原子力発電所(鹿児島県)の再起動に反対する市民団体らが11月18日昼、東京・六本木の原子力規制委員会の入るビルの前で抗議の声を上げた。同日夜には東京・有楽町の九州電力東京支社の入るビルの前でも同様の声を響かせた。川内原発1号機が17日夜、テロ対策とされる特定重大事故等対処施設(特重)が完成し、おおよそ8カ月ぶりに再起動されたからだ。これを受け、市民団体他が急遽呼びかけた「規制委抗議行動」および「九州電力東京支社抗議行動」に有志ら約20名が集結。それぞれが入るビルの前で横断幕などを掲げ拙速な再起動を糾弾し速やかな運転停止を求めた。規制委には「原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動」が、九州電力には「再稼働阻止全国ネットワーク」「反原発自治体議員・市民連盟」が申し入れ書を提出した。
特重とは福島の原発事故を受けた国の新規制基準。1号機は特重施設工事の完了期限だった3月17日に間に合わず運転停止となっていた。11日、規制委は使用前検査で特重の施設工事を合格としたが、セキュリティを理由に多くが非公開だ。これまでも「ほとんどがブラックボックス化している」と玄海原子力発電所のある佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が九電の説明を批判(『毎日新聞』2019年6月23日付佐賀県版)するなど特重には疑問の声が多い。参加者も「特重は市民もメディアもチェックできない。信用できない規制委の審査は危険だ」と訴えた。
(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2020年11月27日号)