「学術会議任命拒否は違憲」緊急院内集会
女性学者と若者らが批判
本田雅和|2020年12月21日4:13PM
【「社会科学の衰退、軍事研究の強要が目的」】
植野妙実子さん(中央大学名誉教授=憲法)
私は学術会議会員ではないけれど、そんなことは気にしていない。でも自然科学の方々にとって学術会議会員であることが非常に名誉なこと。何を意味するか。今回の人文社会科学6人への任命拒否というのは、要するに脅しだ。お前ら言うこと聞かないとこういう目にあうぞ、国のための研究をしろと自然科学者に言っているのだ。憲法学者は99%ぐらいが反政権。それは現政権が憲法に沿った政治をしていないからだ。
田中駿介さん(慶應義塾大学法学部4年)
学術会議会員任命拒否の動きは学生にとって明らかに脅威だ。学者が自由に発言できない時、学生が自由に表現ができるわけがない。まさに丸山真男のいう「抑圧の移譲」だ。学術会議の山極寿一前会長に対し、菅政権は説明責任を果たしていない。しかし、あえていう。山極さんは前京大総長として学生寮からの寮生退去強制、立て看板撤去、機動隊導入などについて今も説明責任を果たしていない。平和問題や性的少数者に関する学術会議の提言などは意義深いが、官邸が学術会議に押し付けていることを大学当局は学生に押し付けているのではないか。企業は学生のSNSをチェックしている。デモや集会で名前出したら就職に響くと、ジャーナリズム志望の学生すら言っている。これまでは権力はネトウヨと結託して攻撃しやすい対象をアカだと攻撃してきたが、今や中立的な研究者を攻撃している。しかも世論は排除されるんだからアカだろうと線引きをしている。
(本田雅和・編集部、2020年12月4日号)