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大飯原発の設置許可取り消す判決 
大阪地裁

小山英之|2021年1月5日6:39PM

【全原発に耐震評価の見直しが必要に】

規制委員会の調査・審議過程における「看過し難い過誤、欠落」は、すべての原発や審査ガイドを参考に用いた原子力関係施設に当てはまる。

判決は、これらの施設についても基準地震動の見直しが必要であることを事実上示したという普遍的意義を持つのだ。

中でも差し迫って問題になるのが、全国で初めて40年越えとなる老朽化した原発、美浜3号機(福井県美浜町)と高浜1号機・2号機(同県高浜町)である。

たとえば美浜3号機は来年1月に運転再開が予定されているが、それには美浜町と福井県の同意が必要となる。その場合、耐震安全性が問題になるが、自治体は自らが安全判断することは避け、国の判断に委ねてきた。その国、つまり規制委員会の審査と判断に過誤や欠落があると司法が判断した状態で、自治体が国を頼ることができるだろうか。

判決後の記者会見で、弁護団長の冠木克彦弁護士は、「基準地震動への批判が(判決で)出たというのは大きな意味をもっている。国は控訴するだろうが、この判決が出たということで、すべての議論が今日から始まる。(原発再稼働などで)ものすごく大きな影響を与えるだろう」と述べた。

今回の判決を踏まえて全国各地の原発や六ヶ所再処理施設(青森県)等の耐震性について、改めて「ばらつき」を考慮した見直しが求められる。このような方向を連携・協力して進めていきたい。

(小山英之・大飯原発訴訟原告団共同代表、2020年12月11日号)

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