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沖縄戦激戦地の土砂を米軍新基地建設に? 
宗教者が計画撤回求める

本田雅和|2021年1月12日6:36PM

ガマで遺骨を示す具志堅隆松さん。(提供/日本山妙法寺・武田隆雄上人)

沖縄県名護市辺野古で国が進める米軍新基地建設に絡み、防衛省は大量に不足している埋め立て用土砂の採取を、沖縄戦の激戦地だった県南部で計画していることがわかった。採取予定地周辺では戦没者のものと見られる遺骨が今なお見つかっており、12月10日には宗派を超えた宗教者たちが「人を殺す施設の建設のために遺骨を含む土砂を使うのは、戦没者を二度殺すことだ」などと批判。計画撤回と遺族への謝罪を求める共同声明を発表した。

仏教やキリスト教の宗教指導者8人が同日、東京の参議院議員会館で記者会見。防衛省が県に提出した基地用地の埋め立ての「設計変更」申請で、「岩ズリ」の県内調達先の大部分が現行計画にはない南部地区(糸満市・八重瀬町)に追加・変更されていることが明らかになったことなどを説明した。

共同声明では「本島南部には今でも多くの遺骨が残存……遺骨は死者の尊厳そのもの」とし「今、菅義偉首相が、真っ先にすべきことは遺骨の収集であり、遺骨を遺族の方々に一日も早くお返しすることです」と訴えた。この時点で、300人以上の宗教関係者や平和団体関係者が賛同署名していた。

日本キリスト教協議会の金性済総幹事は「忘れてはならないのは民間人と兵士というカテゴリーだけではなく、朝鮮半島から強制連行されてきた徴用工、旧日本軍の『慰安婦』……今や簡単には判別できない遺骨にはそうした遺骨がまじりあっている可能性の重さを、改めて沖縄戦とは何であったかをふり返るべきだ」と述べた。

沖縄出身の平良愛香牧師は「沖縄はどの土地にもウチナンチュウの血が染み、骨が埋まっている。その象徴となる場所が南部だ。その土を掘るというのは、ウチナンチュウあるいは沖縄に連れてこられたさまざまな人々、米兵も含めて、その人たちの死をないがしろにすることだ」と指摘。沖縄人が望むのは基地被害をなくすことだけではなく、「二度と沖縄を戦争を生み出す島にしてはいけない。加害者にならないということだ。だから辺野古の基地建設に皆がノーと言った。そんなところに戦死者たちの血や骨が使われてたまるものか」と悔しさをにじませた。

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