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「女性議員を本気で増やして」
公明党との対話実現
宮本有紀|2021年1月13日4:34PM
野田聖子・自民党幹事長代行が10月28日の代表質問で「日本には指導的地位に女性が占める割合が依然として少なく、ゆえに意思決定をする立場に女性はいません。つまり、政策や会社の方針に女性の視点を当たり前に反映することは困難」と発言した通り、衆議院議員465人中女性は46人と1割未満。女性国会議員比率は世界190カ国中167位と最低ランク(2020年10月現在)だ。
しかし18年に成立した候補者男女均等法では、政党は候補者の男女均等を目指すことになっている。そこで、女性議員割合50%を目指す「パリテ・キャンペーン」とジェンダー平等社会を目指す一般社団法人Voice Up Japanは「幹事長、女性議員を本気で増やしてください!」署名キャンペーンを9月14日に開始。10日ほどで2万筆超を集め、各党幹事長への提出と対話を要求してきた。9月には有志らが立憲民主党と国民
民主党、10月には自民党、共産党と対話(10月2日号、23日号本欄で既報)。そして、10月31日には公明党の石井啓一幹事長との対話が実現した。
参加者らはこれまで同様、「性暴力防止・被害者救済、選択的夫婦別姓などが進まないのは女性議員が少ないことに原因がある」と主張。女性議員を増やすため、①次期衆院選における女性候補者の数値目標を掲げること、②現職でない候補の半分は女性にすること、③比例名簿では男女同数にし、女男交互に。あるいは上位1~3位を女性にすること。性的少数者の優先的な登用をすること、④選対本部に女性を加えること、⑤選挙運動におけるハラスメント対策を講じること、を求め署名を渡した。
自民党と同様、メディア取材は冒頭の写真撮影のみだったため、対話後に参加者に様子を訊いた。パリテ・キャンペーン実行委員会に加わる三浦まり上智大学教授は、「すでに公認候補が決まっていて、今から増やす余地はない感じだった。我々としては女性3割を数値目標にしてほしいとお願いしている。ただ男女半々が当たり前との意識は公明党の議員は持っている。そのことが確認できたことは良かった」と前向きな発言。一方、学生たちの表情は明るくなく、Voice Up Japanメンバーの大学生、蛭田ヤマダ理紗さんは「頭の中には女性議員増があるようだが、それをどう実現するかという具体性がなかった。数値目標を立ててほしい」、同じく大学生の三浦舞さんは「理想として半分になったらいいよねという話が多くて具体的にいつまでにという目標がでてこなかったのが残念」と話した。
(宮本有紀・編集部、20年11月20日号)