安倍晋三氏の不起訴「看過できない」
桜疑惑、市民団体が検察審査会に申し立て
斎藤貴男|2021年1月25日5:15PM
【「怒りで手が震えた」】
石井碩行氏(農業)は、安倍不起訴の通知に、「怒りで手が震えた」。彼は安倍氏が国会で、“桜”絡みで少なくとも118回の虚偽答弁を重ねていたとする衆議院調査局の発表に触れ、「その間にどれだけの時間があったか。本当に知らなかったのなら、安倍はいくらでも秘書に聞くことができたのに」と怒気を強めた。
筆者はこう述べた。
「年が明けたからといって、“桜”の問題がこのままになるようなことがあっては、絶対にいけない。社会のため、日本のために、です。安倍政権では統計の偽造や公文書の捏造、審議会の議事録がないのが当たり前になりました。ソ連の末期と同じ。”桜”の答弁は嘘ばかり、他の問題だってまともに答えているとは思えません。この間の国会はすべて無効にしていただきたいぐらいだ。こんなことが罷り通れば、権力者は何をしてもよいが、権力のない者は何をしても許されない社会にされてしまう。今後はコロナで、対中国でもいいが、政府が強権を発動しなければならない場合も出てくるでしょう。だが、嘘だらけの政府に正統性などありません。しっかりケリをつけなければ。菅さんにはせめて、ひとつぐらいは信じられることをやってもらいたい」
最後の「菅さん」は本来、「特捜部」と言うべきだった。役人は政権の私兵でしかないという、安倍氏以来の絶望に、筆者自身も囚われてしまっているのか。一刻も早く政界から安倍氏を追放し、くだらなすぎる軛から逃れよう。
なお、「市民の会」のもう一人の共同代表は団体役員の田中正道氏。他に元同志社大学教授の浅野健一氏、講談師の神田香織氏、「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」実行委員会共同代表の武野大策氏らがいる。
(斎藤貴男・ジャーナリスト、2021年1月8日号)