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阪神・淡路大震災から26年 神戸市が謳う「復興」の欺瞞

粟野仁雄|2021年2月5日12:10PM

震災後の再開発で建物は「復興」されたが、シャッター通り化した大正筋商店街。(撮影/粟野仁雄)

1月17日早朝、「がんばろう」の文字の形に並べた紙灯籠が並ぶ神戸市中央区の東遊園地。26年前のこの日に長女桜子ちゃん(当時6歳)を失い、遺族代表で挨拶した加賀翠さん(65歳)は「夢に出てきてください。32歳になった姿を見たいです」と語った。

昨年末、神戸市は長田区のJR新長田駅南側の再開発事業についての検証内容を初めて発表した。326億円の赤字としたが、過剰開発や法外な管理費(共益費)などがもたらした「シャッター街」の結果に、久元喜造市長は「開発後デフレに入って地価が下落した」と原因を経済情勢に転嫁。市幹部たちも「仕方がなかった」のオンパレードで反省のかけらもない。無論、誰一人責任を取らない。

兵庫県震災復興研究センターの出口俊一事務局長(72歳)は「326億円は空き床がすべて売却できたとしての数字でしかない。本当は500億円にはなる」と指摘する。出口氏は1995年3月、神戸市都市計画審議会で計画反対の意見陳述をしていた。

「震災発生からたった2カ月後に市は突如、下町だった新長田駅南に高層ビルを並べる巨大な再開発策を打ち出しました。多くの人が避難所生活で仮設住宅もできていない。市役所前に怒った市民が押しかけ騒然となったが強引に決められました。そもそも審議会の会長が市の小川(卓海)助役だったこともおかしかった」(出口氏)

長田区では火災で多数の犠牲者が出た中、小川助役は「幸か不幸か燃えた」と発言したのだ。

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