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2月7日投開票の浦添市長選──那覇軍港返還に名を借りた浦添新軍港建設の是非が焦点
渡瀬夏彦|2021年2月5日7:00AM
軍事的にも不合理
そこに著しい変化が起きた。この問題が、2月7日投開票の浦添市長選挙の最大の争点として浮かび上がったのだ。昨年8月に松本哲治市長が公約を再び撤回して「現行計画の軍港位置」を認める態度を表明し、それに反発する声がにわかに高まり、そして12月には、明確に「軍港建設反対」を公約として掲げる市長候補として、浦添市議会の伊礼悠記議員が名乗りをあげたからである。
この軍港問題は、沖縄県、那覇市、浦添市の三者でつくる那覇港管理組合で協議が続けられており、一市長の自分の力だけではどうにもならないというのが現職市長の松本哲治氏の責任転嫁型の主張であるが、伊礼悠記氏はあくまで「軍港NO」の姿勢を貫く自分が当選することで民意を明確にして知事・那覇市長との話し合いをスタートさせる、というブレない主張を続けている。
基地問題に詳しい衆議院議員の屋良朝博氏(沖縄3区)は断言する。
「浦添西海岸に面した米海兵隊のキャンプキンザーの返還が決まっているのに、なぜ軍港計画だけが生き残っているのか。軍事的にもあまりに不合理。軍港など必要ないことは明白。それを止められないというなら、(現職市長は)政治家をやめるべきです」
筆者は「オール沖縄」側にも大いに反省点があると思っている。軍港問題を真摯に議論せず、市民県民の声にしっかり耳を傾けようとせず、密室協議での既成事実を長らく放置してしまったと言わざるを得ないからだ。
しかしだからと言って、自身の姿勢がブレつづけている(軍港反対から容認へ、現行計画の軍港位置の変更提案から現行計画容認へと2度公約を破った)ことへの深い反省もなく、また、基地負担をあくまで沖縄へ押し付け続ける日米政府や官邸への批判も一切抜きにしている松本市長の姿勢を看過できるはずもない。