飲食店コロナ相談に切実な声次々と
時短要請が労働者を直撃
片岡伸行|2021年2月17日4:38PM
「飲食店」を中心にした「時短営業要請」が早くも労働者を直撃している。菅義偉政権による緊急事態宣言直後の1月9日、全国一般東京東部労働組合(菅野存執行委員長)が実施した飲食店関連の労働相談には首都圏で働く人たちから切実な声が次々と寄せられた。
新型コロナウイルス感染拡大による昨年からの営業時間短縮で、すでに厳しい経営状況にある飲食店。そこにトドメを刺すような今回の「午後8時までの時短要請」で、犠牲を強いられるのは労働者だ。とりわけ非正規の女性、外国人の労働者が不当・違法な解雇・雇い止め、休業手当未払い、シフトの一方的なカットなどに晒される事例が後を絶たない。
▼宣言の出た1月8日から1カ月間休みだと言われた。自主的に休んだことにさせられ、休業手当が支給されない(アルバイト女性)▼日本人は普通に働いているのにミャンマー国籍の人だけ断続的に雇い止めに。以前は週4~5日働いていたが、今は週2日。2月にも雇い止めにされそう(ミャンマー人男性)▼社員4人、アルバイト6~7人いるが、宣言後、社員中心に回していくと言われ、さっそくシフトが飛んだ(アルバイト男性)▼パートで月6万数千円の給与があったが、先月の休業手当は2000円だけ。国民年金だけではとても暮らしていけない(60代・パート女性)
東京東部労組の須田光照書記長は「雇用を守り、給与を補償する雇用調整助成金の手続きすらしない店が多い。労働者側も『コロナだから仕方がない』と権利主張を控える傾向に。飲食業界は圧倒的に未組織労働者が多く、このままでは生活が破綻してしまう人が増える一方。労働組合に加入し問題解決を」と呼びかける。
同労組では引き続き、飲食店コロナ労働相談(TEL 03・3604・1294、03・3604・5983)を受け付けている。
(片岡伸行・記者、2021年1月8日号)