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女性への暴力を断ち切ろう
Break the Chainダンス

宮本有紀|2021年2月19日9:07PM

 

好天に恵まれた2月14日(日)の午後、東京・豊島区の中池袋公園に音楽が響く。

パネルを持ったダンサーが登場する。

行き交う人々が注目するなか、「One Billion Rising(10億人が立ち上がる)」や「STOP Violence」などと書かれたパネルを持って登場したダンサーたちが踊り始めた。

 

これは「女性への暴力抗議デモ」として世界中で踊られているBreak the Chain(鎖を断ち切れ)というダンス。世界の女性の3人の1人、およそ10億人が暴力の被害を受けているというWHO(世界保健機関)の統計(2013年)から、「10億人が立ち上がる」ことで暴力の「鎖を断ち切れ」と始まったものだ。13年の2月14日には世界200国以上で、大勢が集まって踊るダンスデモが行なわれたという。

今回、主催したのは、日本で13年11月にこのダンスを始めたNPO法人青い空-子ども・人権・非暴力。以来、さまざまな場所でダンスデモを実施し、国内のダンス開催のコーディネートも行なってきた。現在は大人数で集まることができないため、ダンサーを10人に絞り、豊島区の協力で公園の一部を会場にして実現させた。

同NPO法人の講演会に呼ばれたことがきっかけで、今回ダンサーとして参加したのは、職場で女性のみにパンプス着用を義務付けるのは女性差別だと#KuToo運動を始めた石川優実さん。

「これは女性への暴力や差別への抗議として始まったダンスデモですが、このダンスには、暴力や差別に負けない自分たちでいられるという意味も込められています」と話す石川優実さん。

「日本で暴力反対、女性差別反対という声をあげるとすごく反発を受けます。でもこうやって女性への暴力や女性差別に反対している“わきまえない”自分のほうが大好きです。みなさん、自分の大好きな自分でいてくれたら嬉しい」とスピーチし「このダンスデモは今日で終わりではありません。世界中がジェンダー平等になるまで続いていくものです。みなさんもお好きなタイミングで参加してください」と呼びかけた。

「1人は10億人のために 10億人は1人のために 私たちは立ち上がる」などと歌われる音楽にあわせて踊るダンサー。(以上の写真撮影すべて/宮本有紀)

子どもを遊ばせながら見ていた都内在住の30代と40代の夫妻は、女性への暴力についての言及はなかったが「楽しそうですね。子どもがノリノリでした。ダンスはやってみたい」などと話した。

 

 

(宮本有紀・編集部、21年2月19日号)

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