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女性役員少ないメディア
労組などが女性役員比率アップを要請
宮本有紀|2021年3月5日11:07PM
日本民間放送労働組合連合(民放労連)、日本出版労働組合連合会(出版労連)、日本新聞労働組合連合(新聞労連)の3労組と「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)」が2月9日、厚生労働省で記者会見し、放送、新聞、出版の業界団体と加盟各社に対し、女性役員比率を上げるよう要請したことを発表した。
要請内容は、◇加盟各社からの女性管理職による特別枠や数値目標を設けるなどして速やかに女性役員3割以上にする、◇業界でのジェンダー平等を課題とする常設委員会を設置する、◇2021年4月までに業界団体と全加盟社が目標・計画・実績を公開する、など。昨年12月から今年2月頭にかけて、日本民間放送連盟(民放連)、日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協)、日本新聞協会(新聞協会)に要請してきた。
要請書によると女性役員数は民放連45人中0人、書協40人中2人、雑協21人中1人、新聞協会53人中0人。
民放労連の調査(18年10月~19年4月)により、在京テレビ局6社の報道・製作部門の最高責任者は全社が女性0%で、役員も東京MXの14・3%を除き0%か1割未満であることがわかった。
新聞労連の調査(19年度)では、加盟する新聞・通信社の会社法上の役員の女性比率は3・13%。出版労連の調査(20年度)では会社法上の役員の女性比率は8・3%。いずれも誇れる数字ではない。
各労組による女性登用の要請はこれまでもされてきたが、今回、初めて合同で動いたのは「ネットメディアなどが先行する中、出版・民放・新聞の旧来型メディアは押されている。女性の視点など多様な意見がないことが閉塞的な状況を生み出しているという危機感」(吉永磨美・新聞労連中央執行委員長)を共有したからだという。
民放労連女性協議会の岸田花子副議長は「発信する側に多様性がないと、作り手の無意識の偏見がそのままコンテンツに乗り、それが受け取る側にも影響する。差別的な発言に笑いが起きるということと同根。リスクも高い」と指摘。出版労連の酒井かをり中央執行委員長は「女性の編集長は増えているが、その上がいない。女性に声をかけても役職を引き受けてもらえないという反応があったが、引き受けられないのはその背景にある社会構造の問題。育児や介護を男女が協力して家庭を営むよう構造が変われば女性も役員になれるし男性も気負わずに活躍できる」と話した。
(宮本有紀・編集部、2021年2月19日号)
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