2月13日深夜の福島沖地震を現地報告
脳裏に蘇る原発事故の悪夢
鈴木博喜|2021年3月5日7:21PM
【「きっと何かが起こっている」】
この状況で本当にフクイチは大丈夫なのか。福島市の女性は、テレビから流れる「福島第一原発に異常はありません」という言葉を信じられなかったという。
「きっと何かが起こっているんじゃないかって疑ってしまいました。だって、あの時だって嘘ばっかりだったじゃないですか」
別の男性も、「発表を額面通りに受け止めて良いものか非常に悩んだ」と打ち明けた。
福島県内の学校や公園など子どもが集まる施設には原発事故後、空間線量を表示する「モニタリングポスト」が設置された。
原子力規制委員会は3年前、維持費などを理由に避難指示区域外の約2400台を撤去する方針を示したが、県民の猛反対で白紙撤回した経緯がある。主な反対理由が「今後、もし福島第一原発で何かがあった場合に被曝リスクを確認する手段は残して欲しい」だった。まさに今回、多くの住民が考えたのが「空間線量は上がっていないか?」だった。
浜通りの主婦は言った。
「不思議なタイミングですよね。『震災・原発事故から丸10年』と『聖火リレー』を直前に控えての大地震。五輪で原発事故を無理矢理終わらせ、原発再稼働にまい進している場合ではありませんよ」
「10年の節目」も「復興五輪」も、砂で出来た虚像のような言葉だ。原発事故は現在進行形。「原子力緊急事態宣言」は今なお解除されていない。
(鈴木博喜・『民の声新聞』発行人、2021年2月19日号)