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不同意性交等罪の創設なるか
「性犯罪に関する刑事法検討会」の議論は山場

小川たまか|2021年3月6日8:00AM

法務省で行なわれている「性犯罪に関する刑事法検討会」が正念場を迎えている。

性犯罪に関する刑法は2017年に110年ぶりに大幅改正されたものの、被害当事者団体らが不足を訴え、昨年3月に更なる見直しに向けての検討会が設置された。被害当事者である山本潤さんが検討委員に選ばれるなど、17年の改正時と比べて被害者支援側の委員が増えたことが改正派からは前向きに捉えられていた。

刑法改正市民プロジェクトは不同意性交等罪創設の緊急署名を法務省に提出し、記者会見を行なった。2月10日、東京・司法記者クラブで。(撮影/小川たまか)

今回の主な論点は、性交同意年齢の引き上げ、時効の延長もしくは撤廃、地位関係性を利用した場合の罰則規定、不同意性交等罪の創設など。検討委員の1人は、「前回に比べると、被害者視点への理解は深まっていると感じる」と話す。その理由として、当事者団体の活動や19年3月に相次いだ4件の性犯罪無罪判決とそれを不当として始まったフラワーデモで世論が変わりつつあることを挙げた。ただ、当事者団体が望む改正が叶うかは微妙な状況という。

「改正に慎重な検討委員の中にも、現在の法では漏れてしまう被害者がいることへの課題感はある。ただ、それを救うため刑法でどう規定するかというところで議論が平行線になる」と検討委員は話す。

2月23日に行なわれたオンラインイベント「#WithYouで変えよう刑法性犯罪」(主催・一般社団法人Spring)では、不起訴となった性暴力の事例が紹介され、刑法や刑訴法の解釈や運用が司法の中でも幅があることが示された。評論家の荻上チキさんは、法に明記されることにより裁判官が一定の基準を共有できるようになるとし、「多くの人が法の運用について違和感を抱いている、このことを正面から重く受け止めることが重要だと思います」と指摘した。

刑法改正を求める意思を示すため、3月7日にツイッターデモ、8日の国際女性デーには法務省前でのフラワーデモが予定されている。

(小川たまか・ライター、2021年3月5日号)

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