菅首相長男の総務省接待問題、放送行政は歪められたのか
2021年3月9日6:36PM
【首相へも500万円】
東北新社は、「スターチャンネル」や「囲碁・将棋チャンネル」などの衛星放送を運営する子会社を持つ。菅首相の長男は、東北新社の部長であり、株式会社「囲碁将棋チャンネル」の役員を兼務している。
昨年12月10日夜、菅首相の長男、子会社社長との会合。情報流通行政局長だった秋本芳徳氏は国会で「BSやCSについての話が話題にのぼったという記憶はございません」との答弁を繰り返していた。
しかし、「文春オンライン」が会食の際のものとされる音声を公開すると「今となっては(子会社社長と首相長男から)BS、CS、スターチャンネルに言及する発言はあったのだろうというふうに受け止めている」と認めざるをえなかった。
この疑惑の核心は単なる国家公務員倫理法違反ではない。放送行政で許認可の権限に深く関わる総務省幹部たちが、放送業者からの「接待」つまり利益を受けて、放送行政を歪めたか、どうかである。
さらに菅首相自身も東北新社の2人の元社長から計500万円の政治献金をもらっていることが明らかになっている。
国会でこの問題を追及している立憲民主党の後藤祐一衆院議員は「森友・加計学園問題と異なるのは、首相が500万円のカネをもらっている点だ。これは首相による収賄罪に近い疑いがある、ある種の事件ではないか」と話した。
(佐藤和雄・ジャーナリスト、2021年2月26日号)