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首都圏反原発連合「最後の国会前集会」開催
香山リカさんら登壇
薄井崇友|2021年3月23日12:56PM
【「別のやり方が始まる」】
最後の国会前集会には各界から多数の参加者が登壇した。
西谷修さん(哲学者)は「反原連の集会は何の組織もない一人ひとりが生活の場から出て声を上げ、官邸政治に冷や水をかけてきた。この開かれた場こそ公共だ。われわれは公共性であり反原連はそれをやったのだ」とエールを送った。
小熊英二さん(社会学者)は「私は11年半ばから勝つ運動だと思っていた」と発言。原発の稼働数・発電量の現状をドイツの例と比べ「数字的に脱原発は日本の方が進んでいる。違いは明確に政治判断したかどうかで、実際に起きていることは変わらない。それを反原連の運動が後押しした。成功した運動なのだ。私は随伴できて大変光栄だ。皆さんも参加できてよかったと思っていると思う」と讃えた。
他にも香山リカ(精神科医)、中沢けい(作家)、立川談四楼(落語家)の各氏らが登壇。野党からも8人の政治家が集まり原発ゼロ基本法案の実現を誓った。メンバーによる代わる代わるのコールで集会は終了。新型コロナウイルス感染予防のため参加はライブ配信中心だったが、会場にも多様な立場の人々が集結。ソーシャルディスタンスをとりつつも脱原発の想いが溢れた集会となった。
金曜デモは全国に波及し、数多くの場所で行なわれている。福島の原発事故以前にあった組織間の対立を、一人ひとりが毎週互いに会って溶かし合う“行動の力”で今の野党共闘の礎を築いている。これも反原連の重要なレガシーと言えるだろう。12年に野田首相に直接要求した反原連メンバーの一人、原田裕史さんは「今のやり方が終わるだけだ。別のやり方が始まる。始めなくてはならないでしょう!」と話した。
(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2021年3月12日号)