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原発事故から10年、日比谷野音で「さようなら原発」首都圏集会開催

伊田浩之|2021年4月13日5:36PM

日比谷野外音楽堂で脱原発を訴えるボードを掲げる参加者。(撮影/伊田浩之)

東京電力福島第一原発事故から10年にあたり「さようなら原発首都圏集会」(「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」主催)が3月27日、東京・日比谷公園野外音楽堂を中心に開かれた。参加者は約1500人。コロナ禍のため、音楽堂内への入場者数は定員の半数以下の1300人に限定した。

集会では、主催者を代表してルポライターの鎌田慧さんが「事故から10年が経ったが、政府は2030年に電力供給を原子力発電で20%賄うと言っている。とんでもない。まったく反省がない。福島の人たちのこの10年間の苦痛。古里を捨て、家庭を捨て、畑を捨て、海を捨て、散り散りに逃げ惑い、途中で亡くなった人もたくさんいます。自殺した人もいます。4万人以上が帰れていない」と惨状を訴えた。90歳を迎えた作家の澤地久枝さんは「命のある限り、反原発の志を1人でも多くの方に伝えていきたい。特に若い人に語りかけていきたい」と決意を語った。

福島原発刑事訴訟支援団事務局長の地脇美和さんは、東京五輪聖火リレーに触れ「原発事故は収束していない。福島は五輪どこでねえ」と声を上げた。

事故発生時に首相だった菅直人さんは「原発は人間が造ったものだから人間が止めることができる。国会議員の半数以上が原発ゼロ法案に賛成したら原発ゼロが決まるのです。今年中に必ずある総選挙で、原発ゼロに賛成の候補を1人でも多く国会に押し上げてほしい」と呼びかけた。

作家の落合恵子さんは「反原発は愛する人の追悼と結びつくものだと信じています。若い時、人生は長編小説だと思っていた。70歳をすぎた今、驚くほど短編小説だった。短編だからこそ最後はしっかり書かせてもらおう。これからの数ページの中に人生の答えがあると信じましょう」と話した。

参加者は集会後、東京電力本店前から銀座をパレードした。

(伊田浩之・編集部、2021年4月2日号)

 

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