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「入管法改正案」は廃案に!──まずは死亡事件解明のためのビデオ開示を

階猛×中島岳志|2021年4月28日5:41PM

対談

衆議院法務委員会野党筆頭理事・階猛
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東京工業大学教授・中島岳志

「入管法改正案」が衆議院の法務委員会で審議入りした。しかし、直前に起きた名古屋入管での死亡事件をめぐり、さまざまな隠蔽が明らかになってきている。こんな状態では法案を審議する土壌すらない、と立憲民主党で衆議院法務委員会の野党筆頭理事である階猛さんは話す。衆議院審議での鍵を握る階猛さんと、入管の問題を安倍政権からの権力の問題とみる東京工業大学教授の中島岳志さんが緊急対談した。

もみ消しに走る入管、死亡した女性はDV被害も

階猛
しな たけし・立憲民主党衆議院議員(岩手県第1区)。1966年、岩手県生まれ。日本長期信用銀行で法人営業等、新生銀行およびみずほ証券で社内弁護士を経て、2007年補欠選挙で初当選。以降、小選挙区で5期連続当選。総務大臣政務官(民主党政権時)、民進党政務調査会長、国民民主党憲法調査会長などを歴任。20年に新生の立憲民主党に参加し、現在、衆議院法務委員会野党筆頭理事などを務める。

中島 4月23日金曜日の衆議院法務委員会は紛糾しましたね。

 名古屋入管(愛知県名古屋市、名古屋出入国在留管理局)で3月6日に亡くなったスリランカ人女性・ウィシュマさん(享年33)について、法務省・入管庁(出入国在留管理庁)が4月9日に「中間報告」(名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査状況)を発表したのですが、重要な情報が隠蔽されていたことが発覚したからです。

中間報告には、今年1月から悪心や食欲不振、しびれ、体重減少などの症状がウィシュマさんに出ていたため、入管内の診療室に勤務する内科医師が2月18日の段階で精神的要因を疑って、外部の精神科への受診を勧めたと書かれています。しかし、外部の精神科に受診できたのは、死亡2日前の3月4日。食事、トイレ、歩行に介助が必要となるなど、かなり悪化している時でした。

それなのに中間報告には、精神科の医師が、「例えば、病気になることにより仮放免(編集部注:病気などの理由で収容を一時的に解く措置)をしてもらいたいとの思いが作用するなど心因性の障害」、つまり「身体化障害の疑い」があると診断したと書かれていました。

ウィシュマさんの死を伝えるスリランカの日刊紙『CEYLON TODAY』。

あたかもウィシュマさんが詐病であったかのような内容ですが、実はこの外部の精神科医師は、仮放免を勧めていたことが発覚したのです。「診療情報提供書」という医師が入管側に渡す書類の中で、同医師は「(収容施設から)仮釈放(仮放免を意味する)してあげれば、(ウィシュマさんの体調が)良くなることが期待できる。患者のためを思えば、それが一番良いのだろうが、どうしたものであろうか?」と書いていました。22日にTBS NEWSがこの存在を報じました。中間報告では、この助言について一言も触れられていません。

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