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短大生を襲うコロナ禍での就職難
鷲尾香一|2021年5月2日4:28PM
新型コロナウイルスの感染拡大は経済活動の停滞を通じて、労働者一人ひとりの雇用に大きな影響を投げかけている。
だが、“喉元過ぎれば熱さを忘れる”ではないが、雇用の悪化に対する関心が薄れてきている。 そこで、20年のさまざまな統計が明らかになったことから、雇用悪化の状況を再点検してみたい。
まずは、総務省統計局の労働力調査だが、20年の年平均の完全失業率は2.8%だった。18年が2.4%、19年が2.4%だから、コロナ禍の影響はわずか0.4%に思えてしまう。しかし、単月で見れば20年10月には3.1%、11月3.0%、12月3.0%と上昇している。
厚生労働省が調査・発表している「新型コロナの雇用への影響」では、20年5月29日の第1回調査時点で雇用調整の可能性がある事業所数3万214カ所、解雇等見込み労働者数1万6723人、うち非正規雇用労働者数2366人だった。
これが12月25日調査では累計で、事業所数12万371カ所、労働者数7万9522人、非正規雇用で3万8009人に拡大した。
しかも労働力調査で見れば完全失業者数は20年で191万人、11年ぶりの増加となった。特に雇用環境は非正規雇用労働者に厳しく、75万人も減少し比較可能な統計開始以来、初めての減少となった。
厚労省の「新型コロナの雇用への影響」では非正規雇用の解雇は3万8000人で、いかに実態からかけ離れているかがわかる。