考えるタネがここにある

週刊金曜日オンライン

  • YouTube
  • Twitter
  • Facebook

【タグ】

『出版と権力』が描く講談社の知られざる歴史と教訓

佐々木実|2021年5月3日5:29PM

国家とメディアの関係をテーマとしてきた魚住氏は忖度などしない。「第七章 紙の戦争」「第八章 戦時利得と戦争責任と」では陸軍との特異な関係が当事者の証言をもとに克明に描かれる。新たな歴史的事実については本書を読んでいただくしかない。

「ライター人生の出発点で講談社ジャーナリズムの最良の部分と仕事をする恩恵に浴した」。あとがきでこう記す魚住氏にとって、身を切る作品でもあっただろう。現在を描いた本書の結びで、『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(ケント・ギルバート著・講談社+α新書)にあえて触れていることからもわかる。

かくいう私も、講談社ジャーナリズムの最良の部分と仕事をする恩恵に浴したひとりとして、ヘイト本の出版には衝撃を受けた。なぜこの“ベストセラー本”が許されざる出版だったか。魚住氏が655頁を費やし説諭しているようにも読めたのである。

(佐々木実・ジャーナリスト。2021年3月19日号)
※大型連休にあわせて過去記事を掲載します。

【タグ】

●この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • Hatena
  • google+
  • Line

電子版をアプリで読む

  • Download on the App Store
  • Google Playで手に入れよう

金曜日ちゃんねる

おすすめ書籍

書影

増補版 ひとめでわかる のんではいけない薬大事典

浜 六郎

発売日:2024/05/17

定価:2500円+税

書影

エシカルに暮らすための12条 地球市民として生きる知恵

古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)

発売日:2019/07/29

上へ