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自浄作用なき自民に対する公明の使命

佐藤甲一|2021年5月3日5:05PM

 一国の総理大臣としての見識が著しく問われる事態である。だが、自民党内から痛烈な菅批判は湧き起こらない。また菅氏を糾弾する、まともな神経の保守議員すらいない。これこそが、長期政権によって自民党内に巣食ってしまった「悪」と言わざるを得ない。

3月8日、通信制高校「N高校政治部」の特別講義に参加した公明党の山口那津男代表は「自民党がパートナーとしてベターであるということで連立を組んだが永遠ではない。国民の支持、信頼があってこその政権だ」と述べた。

自党の遠山清彦前幹事長代理による「銀座飲み歩き」問題により陳謝に追い込まれたことがあるだけに、余計に自民党との違いを鮮明にしたかったのだろう。いささか小手先の感は否めない。

だが、もはや自民党内に自浄作用が働かない以上、公明党こそ、自民党に強烈なパンチを与える、公党としての使命を全うすべき時に来ているのではないか。自民党に正常な機能が失われた今、閣外協力もしくは政策ごとのパーシャル連立へと一歩身を引くことで、どこまでもついてくる「下駄の雪」との揶揄を払拭する時期に来ているのではないか。

(佐藤甲一・ジャーナリスト。2021年3月19日号)
※大型連休にあわせて過去記事を掲載します。

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