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差別容認する永田町ムラの責任は記者にもある
長谷川綾|2021年5月4日2:06PM
舌禍を繰り返す政治家がなぜ権力を握り続けるのか。人脈、金脈色々あるだろうが、新聞記者の自戒をこめて言えば、会食文化が大きな理由の一つではないか。差別や暴言にあふれているがムラの住民は波風を立てず、記者の多くも報道しない。結果、有権者に政治家の正体は知らされず、選挙の洗礼を受ける事もない。
失言が多い政治家の双璧は、森喜朗氏(83歳)と麻生太郎・副総理兼財務相(80歳)だろう。森氏は会合挨拶が長くても面白いとされる「座談の名手」、麻生氏は親しくなれば話が弾む「半径2メートルの男」の異名をとる。ともに、会食を重ねて人間関係で仲間を増やすタイプの政治家だ。
森氏は首相だった2000年、「日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国」「(衆院選で)無党派層は寝ていてくれればいい」などと数々の失言を重ねた。
「女性が多いと会議が長引く。人数は制限したほうがいい」という趣旨の女性蔑視発言で五輪組織委会長辞任に追い込まれた。
私が08〜09年に総理番として取材した麻生氏も「創氏改名は(朝鮮人が)名字をくれと言ったのが始まり」(03年、自民党政調会長)、「ワイマール憲法は誰も気がつかない間に変わった。(日本の改憲もナチスの)あの手口を学んだらどうか」(13年、副総理兼財務相)など枚挙にいとまがない。