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「東京五輪中止」オンライン署名は30万人を超え海外でも反響

岩本太郎|2021年5月28日1:15PM

宇都宮健児さんが「東京五輪開催中止」を求めて始めたオンライン署名。賛同者からはコメントも続々と寄せられている。(「Change.org」画面より)

宇都宮健児さん(元日本弁護士連合会会長・本誌編集委員)が、東京五輪・パラリンピックの開催中止を求めて5月5日からウェブサイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で始めた署名活動は、11日13時段階で32万人超の賛同者を獲得した。

署名趣旨の中で宇都宮さんは、医療関係でも膨大な資源投下を要し、かつ大規模な人の移動を喚起して新型コロナウイルスのさらなる感染拡大につながりかねない同五輪の開催を「住民および参加者の命と暮らしを危険にさらす」行為と批判。開催を中止し、そこで利用可能となった資源を窮乏にあえぐ人々に割くべきと訴えている(本誌5月14日号「風速計」参照)。

著名人による賛同も相次いだ。劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんは「アスリートの皆さんから、こぞって中止を訴えて」と5日にツイート。ちなみに同五輪代表に内定した競泳の池江璃花子選手が自身に出場辞退を求める声が寄せられているとツイートしたのは7日だが、8日に政治評論家の竹田恒泰さんがそれを引き合いに、東京五輪の開催を支持する署名を「Change.org」で始めた。

宇都宮さんによれば、署名のヒントは自身が昨年立候補した東京都知事選での経験にあった。街頭活動が困難なコロナ禍にあって、ネットでの活動を積極的に展開したが、今回は当時の選挙スタッフの中からの「オンライン署名を行なっては」との提案を受けて実施。想像以上の速さで多数の賛同を集めた。当初はスポーツ紙、続いて大手紙や海外からも取材が来るなど、11日までに20以上のメディアからの問い合わせに応じた。

「スタッフに外国の人もいて発信してくれたことも大きかった」と宇都宮さんは語る。医療従事者から感謝の電話も多数あった。集まった署名は国や東京都、五輪組織委などに届ける予定だ。

(岩本太郎・編集部、2021年5月14日号)

※編注:賛同者は14日午前までに35万人を超え、14日午後に国や東京都、五輪組織委などに提出。その後、署名総数は27日までで40万筆を突破した。

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