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映画『狼をさがして』に右翼が的外れ抗議
横浜の映画館、告訴検討
伊田浩之|2021年5月31日1:28PM
【「右翼・左翼」を超えた闘い】
キム監督は5月18日、〈映画とは全く関係のない事実無根のひどい言葉を投げつける姿を映像で見ました。本当に哀しいことです〉〈遠い過去から現在に至るまで、二つの国の間の波濤を超え、友情と連帯をつないできた弱く貧しくも懸命に生きている方々と、これからも共に在りたいと思います〉などのコメントを出した。
鈴木邦男氏が一水会代表時代の1975年に出版した『腹腹時計と〈狼〉』(三一新書)によると、事件について当時、本来敵であるはずの右翼民族派は一様に強いショックを受け、「全面支持」を唱える部分すらあった。鈴木氏は同書でこう指摘した。「敗戦後三十年間の〈意味〉が今問われている。右翼と左翼という形ではなく、三十年間の〈虚妄〉を死守せんとする者と、その破壊に命をかける者との熾烈な闘いが開始されている」
「三十年間の〈虚妄〉」が日本社会に問われてから45年以上過ぎたが、〈虚妄〉は破壊されるどころか強化されている。
(伊田浩之・編集部、2021年5月21日号)
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