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改憲世論の醸成狙う自民の戦略
高田健|2021年6月3日10:43AM
この集会で下村博文・自民党政調会長は党の4項目改憲案の一つの緊急事態条項創設の実現を目指して、感染症拡大を緊急事態の対象に加えるべきだと強調し、「今回のコロナのピンチをチャンスとして捉えるべきだ」と語った。すでに1万人以上がこの感染症の犠牲になり、60万人以上のひとびとが罹患したこの危機(ピンチ)を、自民党がめざす憲法改悪のチャンスとうそぶくその政治的愚劣ぶりには開いた口がふさがらない。
国民民主の山尾志桜里・党憲法調査会長は、この櫻井氏らの集会で「憲法9条にしっかり自衛権を位置付け、それを戦力であることをきちんと認めた上で枠づけをしていく。(自衛隊を)憲法で無視し続けることは『法の支配』にとっては有害だ」などと述べた。改憲派が参議院で3分の2を割っている中で、山尾氏は改憲反対勢力の分断に協力したと言えよう。
改憲論議の最初の一歩
自公など改憲派がしゃにむに改憲手続法改正案の成立を狙う目的は、いったん両院の憲法審査会でこの議論を終えて、それを「憲法改正議論を進める最初の一歩」としようとするところにある。
改憲派は衆参の憲法審査会で「自民党の4項目の憲法改正案」の議論を推進するために、各党にそれぞれが改憲案の対案を出すことを要求。その議論を通じて改憲の空気を醸成しようとしている。その上で、改憲原案を憲法審査会でまとめ、両院の本会議で3分の2以上の賛成を得て、国民投票で改憲案の是非を問うという構想だ。