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性や性被害の検索は
アダルトコンテンツでなく被害支援情報を上位に
小川たまか|2021年7月2日10:42PM
インターネットで情報検索した際、性や性暴力に関する適切な情報が上位表示されないことに危機感を持った学生グループ「SEOセックスプロジェクト」が4月30日、厚生労働省で記者会見を行ない、ネット上で「安心して性知識が得られるサイトを検索上位に出してください!」の署名を始めたことを報告した。「SEO(Search Engine Optimization)」とは検索エンジン最適化のこと。その単語をインターネット検索した際に上位表示されるための施策を指す。
メンバーの1人、前田かや子さんは16歳の時に集団性的暴行の被害に遭った。Googleで「レイプ」と検索すると、支援情報よりも先にアダルトコンテンツが表示されることに疑問を持ったという。
前田さんは、現在でもたとえば「死にたい」で検索すると「心の健康相談統一ダイヤル(1570−064−556)」がトップに表示されるなど、予防・啓発のためのSEO対策が行なわれている例があることを挙げ、「レイプ」「痴漢」など性暴力に関するキーワードについては内閣府・男女共同参画局サイト内にある「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧」を検索トップに表示してほしいと提案する。
また、同じくメンバーの伊東勇気さんは、学生がネット上で間違った避妊方法などを鵜呑みにしてしまうことがあると指摘。日本の場合、「セックス」で検索するとポルノサイトばかり表示されるが、スウェーデンでは国営薬局のヘルスケアサイトが表示される。メンバーが義務教育で受けた性教育は「性器や性感染症の名称だけを覚えさせるようなもの」だったといい、乏しい性教育の中で不安や疑問を感じる若者も多いことを訴えた。
同プロジェクトでは、学校での性教育の充実とともに、医師が監修する性知識のサイトなどが検索上位に表示される取り組みを求めている。検索サイトや内閣府などに提出予定の署名の目標は3万筆。6月23日〜20日の男女共同参画週間に提出予定だ。
(小川たまか・ライター、21年5月14日号)