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「まだ間に合う、東京五輪中止を!」
抗議リレー続ける女性たちが会見
片岡伸行|2021年7月16日5:56PM
「まだ間に合う。東京五輪の中止を!」。6月からオンラインで毎週「東京オリンピック・パラリンピックの中止を求める抗議リレー」を続けている女性たちが7月12日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見を開き、「大切な命と引き換えに、なぜ強行するのか」などとあらためて東京オリ・パラの開催中止を訴えた。
「復興五輪」のスローガンは後景に退き、「新型コロナウイルスに打ち勝った証」(菅義偉首相)と称して23日から強行されようとしている東京五輪だが、開催地・東京はこの日から8月22日まで四度目の緊急事態宣言に突入。「安全安心」とは矛盾した「緊急事態」がオリンピック開催期間中(8月8日まで)続くことになる。
【女性たちの窮状を指摘】
会見に臨んだのは「抗議リレー」呼びかけ人である日本女医会理事の青木正美さん、国際婦人年連絡会CEOの前田佳子さん、性暴力根絶を目指す「フラワーデモ」呼びかけ人の松尾亜紀子さん。まず、松尾さんが、東京オリパラ中止を強く求める理由について「女性たちの命と生活が危機に晒されているから」と指摘し、コロナ禍での女性の実態を厚生労働省のデータなどを基に報告。「在宅を強いられた女性たちへの暴力や望まない妊娠の相談件数増加」「休業を余儀なくされた非正規雇用者の女性は5人に1人」「2021年1~6月の女性の自死者は前年同期間に比べ25%増(男性は7・2%増)」――などのデータを挙げ「背景には貧困、暴力、差別、未来への希望が持てない現状がある」とした。
また、「医療現場はずっと前からすでに崩壊」し、入院すらできずに自宅で亡くなる人が相次ぐ中、東京オリパラのために看護師、看護学生が数百人規模で集められ、会場設営のために多くの野宿者が強制排除され、高齢女性が都営アパートを追い出されるなど、死に直面する状況にますます追いやられ、「これらは国家からのジェノサイド(集団虐殺)です」と抗議。「日本の女性から世界の皆さんに強くお願いします。これ以上、日本に来ないでください」と訴えた。