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「まだ間に合う、東京五輪中止を!」
抗議リレー続ける女性たちが会見
片岡伸行|2021年7月16日5:56PM
【「政府による人災だ」】
東京都中央区で開業する医師の青木さんは「このままオリンピックを開けば、東京は巨大なエピセンター(感染中心地)になってしまう」とし、PCR検査不足で感染症用の医療病床も大きく増やすことができていないこと、ワクチンを2回接種した人が20%に満たない現状を挙げ、「日本はオリンピック開催国として最低限のやるべきことをやっていない」と強調。東京・晴海の「選手村」についても「宿泊施設は個室ではなく2人から6人部屋。食堂も3000人が一緒に食事をする」とし、「選手村や競技場で新たな変異株が誕生する可能性もあり、選手や関係者によってそれぞれの国に持ち帰られればパンデミックはさらに地球規模に広がってしまう。観客が入ろうが入るまいが、世界中から人を集めること自体やってはならないこと」と警鐘を鳴らした。
日本女医会の前会長で昭和大学医学部講師の前田さんは「医療現場の疲弊は続いています。これはオリンピック開催ありきで進んできた政府による人災」とし、「日本ではPCR検査で診断されることなく亡くなっている方がたくさんいます。オリンピックが開催されてさらに感染者が急増すれば、これまで以上に十分な医療が受けられずに亡くなる方が増える」と危惧。「国民の命を、そして多くの女性を犠牲にしないためにオリンピックは中止すべき。遅すぎるということはない」と述べた。
会場からは東京都内の病院に勤務する看護師の宮古あずささんが深刻さを増す「ナースたちのメンタルヘルス」の現状を報告。東京都教職員組合の長野みゆきさんは子どもたちの観戦動員について「無謀だ」とし「現場を見ていない教職員が数百人を連れて公共交通機関で行く計画。給食時はおしゃべり禁止、運動会も中止で、なぜオリンピックだけが特別扱いされるのか」と観戦動員中止を求めた。
(片岡伸行・記者、2021年7月16日号)