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城西大学「理事解任」訴訟、水田宗子さんが控訴 
退職金“不適切”で訴え退ける

片岡伸行|2021年7月30日8:01PM

東京・紀尾井町に本部のある学校法人城西大学。(撮影/片岡伸行)

学校法人城西大学(本部・東京都千代田区)の理事長人事紛争をめぐる一連の訴訟で一審判決が出揃った。7月1日には、前理事長の水田宗子さんが不当に理事を解任されたと訴えている地位確認と理事報酬の支払いを求める訴訟の判決が東京地裁であり、林史高裁判長は大学側の挙げた解任理由のうち水田さんの母・清子名誉理事長への退職金支払いを不適切と認め、水田さん側の訴えを退けた。

女性学の研究者である水田さんは2004年に理事長に就任。16年12月の理事会で元文部科学事務次官の小野元之理事による緊急動議で辞任に追い込まれ、17年9月には理事を解任された。

判決では、大学側が「不適切な支出」として解任理由にした清子名誉理事長への功労金と報酬、弔慰金、法要の食事会、16年の米国出張、それに学用車の運転手の再雇用などについてはいずれも「解任事由に該当しない」と大学側の主張を退けたものの、04年5月に理事長を退任した清子名誉理事長への退職金の支出(05年8月)のみを「功労金との二重評価」(いわゆる二重払い)になるとして、解任は正当と判断した。

原告代理人の村尾治亮弁護士は「解任理由の大半を認めなかった点は評価できるが、名誉理事長の退職金は当時の理事会の意向に従って常務会で審議した上で支出を決めたもの。『裁量権の範囲を超える』と判断した裁判所の判断には疑問がある」と指摘。また、原告の水田さんも「名誉理事長に対して功労金と退職金を支払ったのは、名誉理事長の業績・功労を高く評価していた当時の理事会の意向を受けたもので、常務会の審議でも異論がなかった。裁量権の逸脱と判断されるのは納得できない」と述べ、控訴した。

一連の訴訟は計5件(うち1件は19年9月に最高裁で水田さんの敗訴確定)。今回を含め一審で敗訴した水田さん側が控訴している4件について高裁で係争が続く。

(片岡伸行・記者、2021年7月23日号)

 

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