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生理用品に軽減税率適用を
「#みんなの生理」が会見
宮本有紀|2021年8月6日9:11PM
主に経済的な理由で生理用品を入手できない「生理の貧困」問題が顕在化し、6月16日に政府が決定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」にも、コロナ対策の一つとして「生理の貧困」への支援が入った。学校・ハローワーク・福祉事務所等での生理用品提供などが盛り込まれている。
これを受け、生理用品を軽減税率対象にすることを求める署名活動をきっかけに大学生らが19年に結成した任意団体「#みんなの生理」は7月16日、厚生労働省で会見。メンバーの鈴木りゆか氏は、重点方針について「コロナ対策の一環とされているため一過性の取り組みになりかねない。持続性が必要。また、生理用品の提供方法が明らかでないが、窓口配布の可能性が高い。それでは生理中であることや経済状況などを開示しなければならずプライバシー確保がされていない」と指摘。さらに「生理のある人の性自認は女性に限らない。さまざまなジェンダー・アイデンティティの方が生理を体験している」と「女性の問題」とすることへの疑義を表明した。
同団体が今年2月17日から5月7日にかけて実施した「日本の若者の生理に関するアンケート」でも19・7%が生理用品の購入に苦労した経験があると回答。値段が高くて重なると大きな出費になる、安くしてほしいという声があったという。また、父子家庭のため生理用品を買ってほしいと言えなかった、情報不足で病院に行くべきか判断できなかったという声も。生理による学校活動への影響では、約50%が生理が原因で学校を欠席・遅刻・早退したことがあると回答。生理による体調不良を周囲や教員に説明することや理解してもらうことが困難である実態も示された。
共同代表の谷口歩実氏は「12歳から50歳まで毎月5日間生理があるとして生涯で2280日、約6年半もの生理日という負担がある。また毎月1000円の費用として生涯で約45万円、10%の税金が課せられていて50万円以上の支出。子宮を持って生まれただけで経済的負担を強いられるのは不平等」として「生理用品を軽減税率対象にすること、学校のトイレに生理用品を設置すること」を求めた。
東京都では9月から都立高校など約250校の女子トイレに生理用品が設置されると公表されている。谷口氏は全国の学校に広げる必要があるとして「すべての人が自分の身体に関するケアを受けられ、自分らしく生きられる社会をつくっていきたい」と話した。
(宮本有紀・編集部、2021年8月6日号)