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国際パラ委員会会長、「大会と感染拡大は関係ない」
本田雅和|2021年8月24日7:28PM
8月24日に開幕した東京パラリンピック大会を前に、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長が19日、日本記者クラブ主催のオンライン記者会見に応じ、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大(パンデミック)を認めたうえで「いま日本で開催することの重要性」を強調、「世界12億人の障害者にスポットライトを当てることになる」と述べた。筆者の質問にも「オリパラ開催と感染拡大とは関係ない」との認識を示した。
ブラジルのジャーナリスト出身のパーソンズ氏は2017年9月に第3代のIPC会長に就任。「コロナ禍での開催」の意義について、「障害者はコロナ禍の影響を不均衡に過重に受け、世界各地のコミュニティーは障害者を守ることに失敗している。パラ大会は世界中の障害者に光を当てる唯一の地球規模イベント。今だからこそ障害者の声に耳を傾けねばならない」と訴えた。
感染対策についても、「選手や大会関係者の88~90%がワクチン接種を終えている」「日々のPCR検査や陽性判明時の速やかな隔離などのルールを厳守すれば安全な大会はできる」などと力説した。
これに対して筆者は(1)東京五輪開催では関係者と市民との導線を切り分けるという「バブル対策」も十分に機能しなかった、(2)警備に動員された警察官や自衛隊員にも感染が広がっている、(3)9割の選手や関係者がワクチンを接種していたとしても100%の対策はあり得ない――と指摘し、「大会を延期した1年前よりも深刻な感染状況」である以上、中止しないのは「強行ではないか」と問うた。
パーソンズ氏は、コロナ対策の効果については「見解が異なる」とし、筆者の見方を「必ずしも正しくない情報にのっとっている」として批判。(1)東京における感染者数が伸びているのは事実だが、それはここで五輪大会が行なわれたことが原因ではなく、選手や五輪関係者の感染数は非常に低く抑えられた、(2)感染者が見つかった場合は迅速に隔離されており、警察官や自衛隊員の感染も五輪関係者から直接感染したとは受け止めていない、(3)自分自身が今回のパンデミックの影響を非常に大きく受けた国からやってきていることを忘れないでほしい――などとした。