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国際パラ委員会会長、「大会と感染拡大は関係ない」
本田雅和|2021年8月24日7:28PM
「不満と怒りには共感」?
そのうえで「みなさんがこの感染率の上昇を受けて非常にフラストレーションと怒りを覚えていることは重々理解できるし、私自身が同じ思いでそういった状況を体験してきたからみなさんの現状に思いを馳せ、共感する」「気を緩めてはならない」と情緒論、精神論を展開した。
筆者は「これでさらに感染が拡大したとき、誰が、どのように責任を取るのか? 世界の障害者に光を当てるための開催というが、IPCの組織力と資金力があれば他にさまざまな方法があるはずだが……」とも質問した。
パーソンズ氏は「IPCの財政力」について「これも誤った情報にのっとっている」とし、「IPCの年間予算は2000万ユーロ(日本円換算で25億円以上)。決して資金潤沢な組織ではない」と反論。大会開催以外の障害者への差別や不均衡をなくす施策の検討にはふれなかった。
さらに感染拡大した場合についての「責任」に関しても、「日本での感染拡大に関してIPCとしてコメントするものではない」と否定した。
別の記者からは「大会期間中に選手村で大規模なクラスターが発生するなど選手の安全が脅かされる場合は大会を中断する考えはあるか?」との質問が出たが、パーソンズ氏は「IPC、組織委、国、東京都で共同声明を出しているが、その中では、感染が大幅に増えた場合、再度会議を開き対策が取られることが決まっている。ここで仮定の質問に答える予断は避けたい」と、明快な回答は避けた。
開催が強行された東京五輪で起きた事実を教訓とすることなく、この社会はパラリンピックにも強行に突入した。「障害者の安全と福利」を掲げて。
(本田雅和・編集部)