安倍前首相「桜を見る会」検審議決で告発団体会見
「再び不起訴許さぬ」
本田雅和|2021年8月24日7:57PM
【「証人喚問」へ市民と共闘】
続いて開かれた報告集会では「桜」問題を追及している野党議員や元自民党議員もマイクを握った。
共産党副委員長の田村智子・参院議員は、今回の議決が「総理大臣であった者が、秘書がやったことだと言って関知しないという姿勢は納得できない」と明確に結論づけたことを指摘。「安倍氏は逃げ切れたと思ったかもしれないが、国会の中だけでなく市民の追及のおかげで季節外れの〝桜〟が何度も咲いた」と市民運動に感謝した。
「前夜祭という宴会」の領収証の宛先が、安倍氏が代表を務める政治団体であったことなどを説明。その費用の補填が「安倍氏の政治活動」として公職選挙法上認められることなど「断じてありえない」「買収行為、違法でなくて何なのか」と批判し、政治的責任や道義的責任だけでなく法的責任を強調し、嘘をつけば偽証罪に問われる国会への証人喚問を改めて求めた。
【「被疑者安倍の犯意」立証を】
立憲民主党の杉尾秀哉・参院議員は「まだまだ道半ば」としつつ、「改めて今回の議決書を読むと、『被疑者安倍の犯意』については『メール等の客観的資料も入手した上で』捜査を尽くすべきだった、などと当たり前のことが書いてある。つまり当たり前の捜査が今までできていなかったということが問題なのだ」と訴えた。
かつて衆議院法務委員会などで検審制度の強化に取り組んだ元自民党衆院議員の早川忠孝弁護士は、検察官が独占していた起訴権限に対し「国民が意見を言えるように民主化する法改正が今、本当に機能している」と感慨を述べた。「元自民党議員であるだけにこういう院内集会に出席するのはどうか」と悩んだ末の参加だったが、「検察官の密室の中の判断を公の場に持ち出した。今回の検審の判断には非常に大きな意味がある。国民の権利の発動の契機を作った皆さんの応援をしていかねば、と思った」と心情を吐露した。
(本田雅和・編集部、2021年8月20日号)