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松井大阪市長批判の小学校校長に市教委が文書訓告

永尾俊彦|2021年8月27日8:02PM

【“教育劣化”の構造】

さらに名田校長は「提言」で、同市の橋下徹元市長が2012年に「公務員という肩書で個人的な見解を言うべきではない」とする文書を出して以来「圧迫された現場の空気は大阪市の教育をどんどん劣化させている」と指摘。20年度の同市中学校の教員採用選考試験の倍率が近畿圏最下位であり、同市中学生の不登校率が10年度は4・1%(約2000人)だったのに、20年度には6・1%(約3000人)と約50%も増加した事実を挙げ、同市の教育が子どもたちの「生きる力」をつけているのか検証すべきだとしている。

名田校長の「提言」に対し久保校長は「大阪市の教育の問題を構造的に捉えている」と評価。「子どもたちが何に行き詰まって不登校が増えているのか、子ども一人ひとりに向き合っていくことが教員のやりがいなのにテストの点をあげることに教育の目的がすりかわっています。その問題点を自由に意見表明できるシステムもありません」と話した。

名田校長の疑問に松井市長はどう答えるのか。筆者は市長に質問状を送ったが「市教委が答えるべきもの」と拒まれた。また、市教委にも提言と意見書を松井市長に届けたかを確認したが「名田校長らの文書は教育長あてで市教委で対応すべきもの。市長には届けていません」との回答だった。

名田校長は「必ず市長に届くように動きます」と語った。

(永尾俊彦・ルポライター、2021年8月27日号)

 

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