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「本気の痴漢対策」求め学生たちが署名活動

小川たまか|2021年9月3日7:36PM

新学期を目前に、痴漢の被害をなくしたいと10代の学生たちが8月8日に始めた署名「本気の痴漢対策を求めます! 来学期からは#NoMoreChikan」は2週間弱で2万筆を超え、8月31日現在、2万5000筆を超えた。

署名を始めたのは、若者の声を政治に反映させることを目指す一般社団法人「日本若者協議会」のジェンダー委員のメンバーたち。性暴力の中でも最も身近で被害の多い犯罪であるにもかかわらず、具体的な対策がとられてこなかった「痴漢」について、文部科学省や警視庁などに対して具体的な対策を講ずることを求める内容だ。

8月26日、文部科学省で会見する芹ヶ野瑠奈さん(中央)らメンバー。(提供/日本若者協議会)

同団体には「痴漢被害の話をしても教員にまともにとりあってもらえなかった。被害に遭った友人が男性教員に『下品なことを言わないの』とたしなめられている様子を見て、今後痴漢被害に遭ったとしても学校に報告しても意味がないと思った」「(盗撮被害に遭い交番へ行ったが)男性警官に渋い顔をされながら当時の制服姿を撮影され(略)、(被害と)全く同じことを再びさせられ、トラウマになった」といった声が寄せられ、教育関係者や捜査関係者による二次被害がいまだに続いていることが指摘されている。

メンバーが求める具体的な対策は「痴漢事件の実態調査を行う」「痴漢報告後のプロセスを見直す」「性犯罪についての充実した教育を行う」「痴漢の加害者が再発防止プログラムを受けられるようにする」など10項目。要望と署名は、文科省、法務省、警視庁、国土交通省、内閣府に提出するという。

文科省が今年から試験的に導入している「命の安全教育」は実質的には性暴力被害・加害抑止教育だが、若者が被害に遭いやすい痴漢については言及されていない。中心メンバーの大学生・芹ヶ野瑠奈さんは「児童・生徒が、痴漢とはどのような性犯罪なのかを認識し、被害を受けたらどのようなステップを踏むべきなのかを幼いときから知っておくことが大切。命の安全教育には、痴漢の内容を掘り下げて身を守る方法を教育してほしい」とコメントしている。

(小川たまか・ライター、2021年9月3日号)

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