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混迷のアフガニスタン──タリバーン、親米軍閥、ISの三つ巴内戦化を避けるためには?

本田雅和|2021年9月18日3:36PM

タリバーンは本当に「民衆の敵」なのか?

谷山さんが現地スタッフから得た情報などを総合すると、現在、カブールには国内各地や海外にいたタリバーン幹部が集まり、連日のように会議が開かれている。そこで統治機構や法制度が決まるまでは、さらに一定の時間はかかるだろう。

タリバーンの「指導者評議会」には強硬派のハッカニ・ネットワークのリーダーが数人いる一方、穏健派といわれ、海外にもパイプを持つタリバーン創設者の一人でドバイの統括者だったアブドゥル・ガニー・バラダルもいる。どちらが主導権を取るかで、「情勢は大きく変わってくるだろう」と分析している。

「いま必要なのは、国際社会とタリバーン政権の対話です」と谷山さんは訴える。その中でパンジシール派を取り込んでいくことが大事だともいう。すでにタリバーンは彼らと一時的にも停戦合意し、交渉を開始しているのに、「混乱」や「報復」を報道が煽れば、その流れに水を差すことになる。

いずれにせよ、「大手メディアのセンセーショナルな報道のように、タリバーンがアフガン民衆の敵だと見るのは間違っている。8万人とされる戦闘員のほとんどは、米国による対テロ戦闘の最中にタリバーンに加わった村の若者たちです」とも指摘する。

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