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選択的夫婦別姓反対派議員の主張を家族法研究者が論破

二宮周平|2021年10月22日6:35PM

 

【夫か妻のどちらかが犠牲になる現行制度】

1~5の主張は、意味不明、牽強付会、曲解、事実誤認のオンパレードであり、事情をよく知らない人をミスリードするために意図的にしつらえたものとしか思えない。

今、日本社会は家族の多様化、国際化に直面している。家族の在り方として、夫婦・親子が同じ氏(実は夫・父の氏)を名乗って一体となることを当然視する考え方は、こうした現実を直視しないものであり、明治民法の家制度と家父長制、高度経済成長期の「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業を固持するものである。若い世代では共働きが当たり前になり、仕事と家庭の両立支援施策が育児を中心に展開している。こうした世代の家族形成を支援する仕組みが必要である。

以下は、第5次男女共同参画基本計画策定時のパブリック・コメントに寄せられた20代女性の意見である。

「現在、実際に結婚を考えていますが、姓が変わることが受け入れられず、悩んでいます。相手側も姓を変えたくない場合、どちらかが犠牲にならなくてはいけない現行制度には問題があると思います」

こうした声に応えられる制度設計が必要である。それは選択的夫婦別姓制度である。

(二宮周平・立命館大学教授、2021年10月22日号)

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