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小池晃・日本共産党書記局長に聞く 
野党による連合政権

小池晃×中島岳志|2021年10月28日5:14PM

市民連合が媒介し、共通政策で合意した野党4党の党首。(撮影/伊田浩之)

【1票目は政権交代に、2票目は共産党躍進に】

小池 総選挙は「小選挙区比例代表並立制」ですから、議席の約4割は比例代表選挙で選出されます。共産党では、現在12人の衆議院議員のうち11人は比例選出議員です。もちろん小選挙区での勝利をめざしますが、共産党にとって総選挙の要は比例代表です。

小選挙区では野党で力を合わせれば自公を上回る選挙区では、できる限り野党候補を一本化していきたいと思っています。けれども、ただ一方的に共産党だけが引いてくれというのでは対等な関係にならないし、お互いに力も出ないと思っています。お互いに譲り合う関係ができるかどうかが大事です。

有権者の皆さんには、「今度の選挙では、皆さん2票お持ちです」と訴えたい。小選挙区への投票とそれから比例代表の投票の2票です。共産党が立候補をしていない小選挙区では、1票目は政権交代のために、2票目は新政権をしっかり支える共産党にと。比例で共産党の議席をのばすことが、政権交代の実現と、新政権が揺るがず前進していくために決定的だと訴えたい。

中島 自公の闘い方ですね。自民党と公明党は、選挙区は自民党、比例は公明という闘い方をしてきた。ただ、自公は根本的に大きな矛盾を抱えていて、本来言っていることが真逆の政党なんです。マッピングで言うと、自民党はⅣのゾーン、公明党は掲げているのは平和と福祉なので、Ⅱのゾーン。真逆の政党が組むのは、連立政治の研究の中でもきわめて稀です。公明党の護教的なものが非常に大きく作用しているのだと思います。

これだけ離れているところでも、保守勢力は選挙協力をやってきたのです。野党はⅡのゾーンでまとまっていて、理念も目指している方向も同じ。それなのに、まだ距離をもっていろんなことをいう人がいるというのは、大変残念だなと思っています。

具体的には、立憲民主党と国民民主党の支持基盤である連合(日本労働組合総連合会)の問題。連合は「希望の党」による排除の傷が癒えておらず、総評(日本労働組合総評議会)系と同盟(全日本労働総同盟)系の溝が深まっています。本誌8月6・13日合併号で神津里季生会長と対談した際に述べましたが、この問題と共産党批判は連動しています。

小池 労働組合は、本来、思想・信条の違いを超えて、労働者、市民の要求に基づいて団結した組織です。ですから、連合の皆さんとは根本的な方向性は一致していると思うんです。

僕がよく話すのは、薩摩藩と長州藩は蛤御門で殺し合いをやったわずか2年後の1866年に、徳川幕府を倒すという目標のために薩長同盟を結んだことです。角をつきあわせるのではなく、政権交代のために力を合わせましょうと言いたいです。

中島 最後に、市民連合との共通政策で合意したれいわ新選組の山本太郎さんについても話をしたいのですが、これまで共産党と山本さんが消費税の問題に重点的に取り組んできたことが功を奏して、立憲民主党も消費税を5%に減税というところに踏み出したと思います。山本さんはこれまで選挙にいかなかったような無党派層を動かした。そうしたことに非常に強いリスペクトをもって、みんなで一緒にやっていける枠組みをつくり上げてほしいです。

小池 れいわ新選組と共産党とは、政策的な一致点が多いと思います。この点で、今回の共通政策に山本さんがサインしてくれた意味は非常に大きい。もちろん、社民党もそうです。野党の側が多様性を示せる大きなプラス要素になると思います。

総選挙では、経済政策、安保政策等に加えて、気候変動にどう立ち向かうのか、私たちの戦略も示していきます。ジェンダー平等を実現するための政策も発表しました。若い層から熱い反応が寄せられています。こうした政策アプローチも強めて、総選挙では躍進を勝ちとりたいと思います。

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