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小池晃・日本共産党書記局長に聞く 
野党による連合政権

小池晃×中島岳志|2021年10月28日5:14PM

【テレビで流布した「暴力革命」デマについて】

9月10日、テレビのコメンテーターが、日本共産党について「まだ暴力的な革命というのを、党の要綱として廃止してない」と発言した。SNSでは一時、「暴力革命」が検索語上位に。共産党が虚偽発言であるとしてすぐに抗議すると、番組側は撤回・謝罪をした。

この問題について小池晃書記局長に追加で話を聞いた。「いまの共産党をみて、暴力革命の党だといわれても、多くの人にとってはなんのリアリティもないと思います。ただ、軽視することはできません。公安調査庁は68年間も、共産党を調査対象にしています。それでも『暴力革命の証拠』なんてものは何も出てくるはずもありません。そもそも共産党は『暴力革命』という方針を党の正式な方針としたことはただの一度もありませんから。

公安調査庁が根拠にしているのは、かつて党が説明していた『敵の出方論』です。これは、①選挙で多数の支持を得て誕生した民主的政権に対して、反動勢力が不法な暴挙に出たさいには、秩序維持のために必要な合法的措置をとる、②民主的政権ができる以前に反動勢力が民主主義を暴力的に破壊しようとした場合には、広範な国民世論を結集してこれを許さない、というもので、どんな場合でも、平和的・合法的に、社会変革を進めるという立場を説明したものです。

なお、『敵の出方』という表現をとらえて、相手の出方によっては共産党が『非平和的方針』をとるかのような、ねじ曲げた宣伝に使われたこともあり、この表現は、2004年以降使っていませんし、今年9月8日に開いた中央委員会総会で、この言葉自体を廃棄すると宣言したのに、いまだにデマが重ねられている」。

このテレビ番組でさらに問題なのは、番組内で野党共闘についてのテーマを取り上げている際に、この発言が出たことだ。これについては、「あのデマは、野党共闘に対する攻撃の中の共産党攻撃だった。共産党に対してだけでなく、野党共闘に参加しているすべての政党、市民に対するデマということ。心強かったのは、ネット上に『許せない』という発言がたくさん出され、立憲民主党の枝野幸男代表も『共産党が暴力革命を目指しているとはまったく思っていない』とコメントをしてくれたこと。幅広い人が声を上げてくれたのは、共産党に対する日本社会の変化。共産党に対する市民の見方が変わってきている」とした。

(まとめ/渡部睦美(編集部)、『週刊金曜日』2021年10月8日号「中島岳志責任編集 もう一隻の船を出すために 第二回 野党共闘を探る」から)

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