福島原発事故「強制起訴裁判」控訴審始まる
「責任逃れ」は再び通じるか
2021年11月18日11:53AM
【強権的指揮、二審で一変】
控訴審では裁判所側の対応も一審とは一変した。
筆者は一審での初公判を傍聴した際、係員からベルトを外すことを強要され、衆目の中、ズボンが落ちるという屈辱的な身体検査を受けたことがあった。一審の東京地裁・永渕健一裁判長は、公判でも強権的な訴訟指揮を繰り返し、傍聴人から不評を買っていた。
ところがこの日の控訴審第1回公判では一転、身体検査を行なう係員の態度が丁重になったほか、冒頭で細田啓介裁判長が「持ち物検査でご面倒をおかけしてすみません」と詫び、傍聴人を驚かせた。なお、この日の初公判には約300人が傍聴券を求めて列を作り、30人だけが傍聴できた。公判の開始前には福島原発告訴団と福島原発刑事訴訟支援団がヒューマン・ディスタンス・チェーンで東京高裁を“包囲”した。
(明石昇二郎・ルポライター、2021年11月12日号)