奨学金、機関保証の異様に高い延滞金
若者から搾取する「日本学生支援機構」
2021年12月6日8:16PM
【回収強化で遂に破産へ】
違法な取り立てによってTさんは苦境に陥った。何か打つ手はないかと模索した結果、支援機構に返還猶予制度(返還期日の先延ばし)があると知る。
今の収入なら猶予を受けられそうだ。一括請求や代位弁済を取り消してもらい、返還猶予を使いたい――そう考えたTさんは14年4月7日に国際協会を訪れた。筆者も同行取材した。以下はその時の職員とのやりとりだ。
Tさん 日本学生支援機構に債権を戻すことはできませんか。
国際協会 それはできません。
Tさん 支援機構の返還猶予が受けられるのは明らかです。それが使えないのであれば、何のための返還猶予かわからない。
国際協会 分割で払うこともできますので……。
意外だった。代位弁済はやりたくないはずなのになぜ拒むのか。理由は言わないまま職員は次の分割払いの「提案」を行なった。
A案 月1万5000円×17年
B案 月7570円×17年(但し7月と12月は月5万3000円)
両案とも、①二度以上延滞すると「期限の利益」を喪失し、全額一括弁済の義務が生じる、②残債務に延滞金年10%がつく――という条件付きだ。残債務が300万円なら年30万円のペースで借金が増える。過酷な内容だった。Tさんは落胆して支援協会を後にする。そしてその後、自己破産した。