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CEDAW選択議定書
政府は20年超も「批准検討」
地方議会では自民党も賛成

宮本有紀|2021年12月17日6:34PM

女性に対するあらゆる形態の差別をなくすために1979年に採択された女性差別撤廃条約を日本は1985年と比較的早い段階で批准している。しかし1999年に採択された選択議定書は批准しておらず、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)からも批准が求められているが、20年以上も「検討」し続けているだけだ。

人権基準を国際レベルにするために選択議定書の一刻も早い批准を求める「女性差別撤廃条約実現アクション」が12月9日、衆議院第一議員会館とオンラインで集会を開催。議員は立憲、公明、共産、国民、れいわ、社民、沖縄の風、碧水会の各会派から31人が出席し、全体で128人が参加した。

集会には手前の議員席に座りきれないほどの議員が出席した。(撮影/宮本有紀)

なぜ選択議定書の批准が必要なのか。同アクション共同代表の浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は「選択議定書を批准して個人通報をできるようになれば、判決が変わると考えている。現在、日本の裁判所は、国際人権条約とりわけ女性差別撤廃条約を判決の法的根拠理由としておらず、条約に基づいた判断をしていない。ところが、個人通報が可能になり、将来、国連の人権委員会から見解が出るということになれば、日本の裁判所は国際人権レベルにのっとった判断をするようになるだろうと考えている」と解説する。

個人通報制度とは、国内で裁判などの救済手続を尽くしても権利が回復されない場合に、条約機関に直接人権侵害の救済を求めることができる制度。国際人権基準で判断されたくないのか、日本政府の姿勢は消極的だ。

2020年3月にCEDAWから送られた「選択議定書を批准するために日本国が行った検討及び批准に対する障害につき、詳述されたい」「国会承認に向けた計画及び見通しについても報告されたい」との事前質問に対し、今年9月に政府が提出した報告書は「個人通報制度の受入れに当たっては、我が国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無や、同制度を受け入れる場合の実施体制等の検討課題があると認識している」「引き続き(略)制度の受入れの是非について真剣に検討を進めていく」とほぼゼロ回答だった。

先の総選挙で初当選した大石あきこ議員(れいわ新選組)は「これ、20年も研究しているんですか」と驚きを見せ、「20年も経ったら、いろいろな性差別是正の話が進んできてとりくまないといけない。だからさっさと批准ですよね」と発言。福島みずほ議員(社民)も「09年に男女共同参画担当大臣になったとき、批准を実現しようとチームを作り、外務省に室を作ってもらったが、その後なかなか進まない。検察も最高裁も法務省も、自分たちは反対していないと言っているので、批准しない理由がわからない」と首をひねる。

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