東電が福島第一原発の「ALPS処理水」海洋放出のための海底調査開始
おしどりマコ|2021年12月24日2:03PM
【規制委も海洋放出に前のめり】
一方、筆者は「規制委も海洋放出の歯止めにはならない」と考える。なぜなら過去、規制委は、経済産業省資源エネルギー庁や東電よりも海洋放出に前のめりの発言を繰り返していたからだ。
経産省のトリチウム水タスクフォースの報告書案が出た2016年4月、規制委の臨時会が開催され、当時の委員長・田中俊一氏が「処理水は海に流すのが一番安全だと私自身が福島の市町村の首長に話した。タンクに貯留するより良い」と、驚くべき発言を繰り返していた。現委員長の更田豊志氏も「東電も海洋放出したいのではないか、東電が本音を言いにくいのなら規制委から指示しようか」など、「本音」という言葉を繰り返したのだ。
その直後、経産省資源エネ庁を取材すると事務方は苦り切った表情でこう話した。
「エネ庁が推進して規制委が規制する、というあり方なのに、海洋放出に関しては規制委がエネ庁よりも推進側になっている。これではちゃんと規制しているように見えない。規制側が『超推進』という新手の反対運動ではないか。賛成の賛成は反対というような」。まるで「バカボンのパパ」のようなコメントまで出たのだった。
「ALPS処理水」の茶番劇にはまだまだ多くの問題がある。
(おしどりマコ・記者/芸人、2021年12月10日号)